良質な睡眠、そのポイントとは!
腰原 公人 医師かがやきクリニック川口院長睡眠不足について
都会人ほど睡眠不足、東京で暮らす人は理想的な睡眠時間より1時間半近くも睡眠負債に陥っています。睡眠不足によって血圧が高くなることは周知の事実です。さらにインスリン不足からの血糖上昇、食欲を増すグレリンの増加や食欲制御ホルモン(レプチン)の低下から、体重増加を来し易くなります。脳の老廃物(アミロイドβ)の排泄低下から、認知症になりやすくなることも判っています。
今回はスタンフォード大学医学部の西野教授の著書「最高の睡眠」のポイントを紹介します。最も需要なことは、入眠後短時間で訪れる黄金の90分の深い眠り(ノンレム睡眠)を崩さないことです。
この第一周期を維持することが、自律神経やホルモン分泌のキーポイントで、眠りの質を確保してくれるのです。就寝時間を一定にして、明日までにやらないといけない勉強や仕事は、早起きしてやる習慣を身に着けましょう。眠くならないからと安易に眠剤に頼るのは危険です。
まずは自然に眠気がくる生活を心掛けましょう。深部体温と皮膚温度の差が最も縮まることで眠気が導かれます。
自然の眠気から睡眠へ入るために
就寝90分以上前に入浴することで、深部体温を一旦上げるとその反動でより体温が下がり、皮膚温との差が縮まります。その後は交感神経を刺激することは控え、モノトーンな退屈な時間を過ごしましょう。 良質な睡眠は朝から日中の過ごし方に大きく影響されます。起床と同時に覚醒のスイッチを入れていく工夫が必要です。起きたらまずはカーテンを開けて光を浴びましょう。皮膚感覚で目を覚まし、朝ごはん、咀嚼することが脳を刺激します。
睡眠と覚醒は表裏一体である
そして良眠に向けて、飲酒や喫煙、夕食の時間にも配慮しましょう。最後に日頃の睡眠負債、 それは週末の寝だめでは到底、解消できません。日々負債を残さないことが重要です。