花粉症の薬が効かない、どうすればいいの?|今、もらっている抗アレルギー薬をまずは正しく、有効的に飲んでいますか?
腰原 公人 医師かがやきクリニック川口院長薬を正しく飲んでいますか?
例年猛威を振るうスギなどの花粉症、薬を飲んでも症状が治まらない。
セレスタミンというステロイド入りの薬を長期間内服していたり、ケナコルトというステロイドの注射を行っている人を時々みかけます。
ステロイドは長期間に渡って使用すると、骨がもろくなったり、免疫力を抑えるなどの重い副作用があります。
今、もらっている抗アレルギー薬をまずは正しく、有効的に飲んでいますか?
市販でも売られているアレグラという薬があります。眠気が出にくく使いやすいです。よく食後に飲んでいる人がいますが、食前30分前と食後内服で血中濃度を調べると、食後に飲むと14%ほど低くなってしまいます。
是非、食前、お勧めの飲み方は、起床時に飲んである程度血中濃度が上昇したときに、まずは朝の通勤のため外へ出ましょう。
そして夕方、帰宅の30分ほど前に飲んで、帰路につきましょう。
これでも症状が治まらない早起きの人には、ビラノアがお勧めです。起床時にやはり飲んで、1時間ほどしてから朝食を食べて、そして家をでるのです。
第2世代の抗ヒスタミン薬について
また一つの抗アレルギー剤が効かないとき、ポララミン(一般名d-クロルフェニラミンマレイン酸塩)という第1世代抗ヒスタミン薬が併用されることがよくあります。
ただし眠気が出やすく、抗コリン作用があり、緑内障や前立腺肥大などの人では禁忌です。
せっかく副作用の少ない第2世代の抗ヒスタミン薬が発明されたのですから、それらをうまく活用しましょう。まずは現在飲んでいる薬と化学構造式が違うタイプの薬剤を試してみましょう。
タイプの違う薬について
タイプの違う薬を使うことで、効果が現れることがあります。
日常生活において行うべき基本的な花粉の回避法
また強いけど眠気の出る薬を寝る前に飲んで、起床時にアレグラを1回内服するだけでも、効果がかなり期待できます。そして点鼻薬や点眼薬などを併用してあげることで症状を緩和できます。
それでも症状が強く、鼻粘膜の腫脹が強く重大な仕事に影響するという場合には、先ほど冒頭で使わない方がいいと言ったステロイドと第1世代の抗ヒスタミン薬であるd-クロルフェニラミンマレイン酸塩の合剤であるセレスタミンを1週間ほど期間限定で使わざる得ないこともあります。
最後に薬を色々と変えてみる前に、日常生活において行うべき基本的な花粉の回避法を励行しているかをもう1度確認しておきましょう。
- 花粉情報に注意する。
参考:環境省花粉観測システム、ウェザーニュース - 飛散の多い時の外出を避ける。
可能であれば一般的に花粉の多い時間帯(午前11時~午後3時頃)の外出を控える。 - 外出時にはマスク・眼鏡を装着する。
- 表面が毛羽立った毛織物などのコートの使用は避ける。
- 帰宅時には衣類や髪をよく払ってから入室する。洗顔、うがい、鼻をかむ。
- 飛散の多い時、窓や戸は閉め、換気時の窓は小さく、短時間にとどめる。
- 飛散の多い時のふとんや洗濯物の外干しは避ける。
- 掃除を励行する。特に窓際を念入りに掃除する。
- フィルターつきエアコンもしくは空気清浄機を使用する。